僕はパパを殺すことに決めた 昨年6月に起きた奈良県エリート医師宅放火殺人事件で、その家に住む17歳の少年を逮捕。
この事件の全容を綴った単行本「僕はパパを殺すことに決めた」が、内容の一部に問題があるとして著者の草薙厚子さんに対し謝罪と被害拡大防止を求める勧告がだされました。
この問題が表面化したことを受け、一部の図書館では単行本の貸し出しや観覧を中止する動きが出始めたようです。
私は3ヶ月前に完読していて、その後プライバシーの侵害に当たるとして謝罪勧告が出ていることを知りました。
今朝の朝刊で、図書館の観覧貸し出し中止の記事を読んだのです。
問題になっている内容と言うのは少年の供述調書で、プライバシーの侵害に当たるとされています。
草薙さん自身も調書を公開するのは法に触れる。と話しております。
では何故その調書を公開する必要があったのか。
少年の供述が、警察の誘導尋問によって自白されていた事。
例えば・・・
警察「どうしてお継母を殺そうと思ったの?何か腹が立ったことでもあった?」
少年「はい」
警察「どんな?もしかしてお父さんに告げ口をされたとか?」
少年「はい」
その後の記者会見で警察は
「父親に自分の事を告げ口したので、腹が立ったから殺したと供述している」と。
この供述を信じたマスコミが、少年と継母の間に確執があったと報道し、評論家と呼ばれる人たちが憶測で物を言い、継母を強く批難。
亡継母の両親は世間から白い目で見られ、精神的に追い詰められた事。
唯一、草薙さんが記事にした雑誌には継母と少年の間に確執は無かった事。
少年には広汎性発達障害がある事を指摘していました。
広汎性発達障害とは、知的障害のない高機能発達障害(自閉症)のことを言い、少年が警察の誘導尋問によって供述したのも、広汎性発達障害から来るものなのだそうです。
全ての取材を拒否し続けていた両親は、草薙さんの記事を読み、真実が知りたい。真実をみんなに教えて欲しいと、草薙さんに願いを託しました。
そのためには少年の調書が必要だったのです。
少年の一日のスケジュールは私の子供達には考えられないほど過密なもので、下校後塾に通い、帰宅してからも父親監視の下で深夜1時まで勉強。
少年が一息つけるのは食事と風呂・トイレの間だけ。
テレビを見ることも許されなければ友達と遊ぶ事も許されないのです。
ウトウトしようものなら父親の激しい暴力をうけ、テストの成績が平均点を超えなければまた暴力。
その為自分の身を守るため時々嘘をつくこともあったようです。
その嘘がバレると更に酷い暴力。
事件のあった数週間前に英語のテストが平均点を超えず、父親に殴られる恐怖から平均点を超えたと嘘をついたため、その後の懇談会で嘘がばれる事を恐れた少年が父親を殺すことを決めました。
少年の手帳には父親を殺す決意を固めてから、その計画を細かく記載されていました。
放火を決めた少年は、弟達や継母が逃げられる経路も記載されていましたから、少年は継母との確執が無かった事は少年の手帳によって証明されています。
放火を実行した当日、父親は夜出かけており、これは少年の想定外でした。
しかし懇談会を翌日に控えた少年には時間がなく、ついに決行したのです。
父親のコンプレックスは私立の大学を卒業し医者になったこと。
対し元妻の親は公立出の医者で、父親のコンプレックスを更に高めたようです。
元妻とはお見合結婚で、婚約中から元妻に対して暴力行為があり、妊娠中も暴力をやめることはなく、少年は小学校を上がる前から塾に通わせられ、成績が悪いと妻に責任を押し付け、激しい暴力を繰り返し、その暴力から逃れるために離婚を決意したこと。
家を出て行った元妻を見返すため異常なまで少年に執着し、うまく行かないと暴力を繰り返し、その度に継母が止めに入りましたが、その継母もまた暴力を振るわれていました。
この問題は読んでいる方とそうでない人では感じ方が違うと思います。
また、読んだ人の中でも賛否両論ではないかと。
読んだ私でも本を出版する上で意見調書は絶対必要だったのかどうかは今でもわかりません。
メディアでしか知りえない情報をこの本には書かれており、改めてメディアを全て鵜呑みにしてはいけないこと。
そして同じ受験生を持つ親としてどうあるべきか非常に考えさせら、どの子が起こしても不思議ではないのだと、警告を発していると私はそう受け止めました。
これが話題になった事で、購入する方もいるでしょうね。
ただ、興味本位や面白半分で読んでもらいたくないと思っています。
それだけ内容に重みがあります。